はじめてこの記事を読まれる方は、上から順に読み進めることを推奨します。
全体理解を深めるための、個々の情報を意識的に抽出しないようにしましょう。
この記事は今後ビジネスを拡大させたい経営者・幹部の方、マーケティングの担当者を対象とした記事です。
認知バイアスとは?
認知バイアス、生存者バイアス、確証バイアス、自己奉仕バイアス、後知恵バイアス、持続性バイアス………その他多数。
ほぼ全ての人間はこの「バイアス」がかかっています。
バイアス=偏り
です。
基本的に「認知バイアス」とそこに内包されるバイアスの種類です。
音楽で例えると「音楽」と「クラシック」「ハードロック」「ポップス」などの関係性に近いですね。
認知バイアスとマーケティングの相関性
まず、バイアスによるマーケティング業務の影響をポジティブ・ネガティブに分けて整理します。
ポジティブな面
認知バイアスを利用して、顧客行動を促進させたり、売上に直結するような方法を取るなど。
ポジティブに利用する場合は、質の良し悪しはありますが情報自体に困ることは基本的には無いでしょう。
マーケティングの先人たちは、このバイアスを利用して「ハロー効果」や「アポフェニア」など、複数のテクニックに落とし込んでいます。
獲得に至る「テクニック」が多くの書籍・サイトに存在します。
ネガティブな面
こちらは運用・運営面で大きなリスクとなっていますが、複合要素的に語られることが多く、情報へのアクセスが困難です。
上記のポジティブ面に埋もれてしまい、表裏一体で見る必要がある情報が埋もれてしまう「偏り」が市場で起きる状態です。
まさに、バイアスがかかっています。
具体的な業務では「数字の分析」に多く認知バイアスの問題が発生します。
下記のような集計方法で、より都合の良い数字を抽出する「チェリーピッキング」と言われる手法を行いがちです。
- 中央値
- 平均値
- クロス集計
このネガティブな面の本質を抑えることにより、負けないマーケティングが実現可能になります。
関連して数字のトリックなども使われていることもあるため、基礎知識が重要となります。
バイアスを使いこなした「負けない」法則
知識のある方は「どうせ言い換え表現だろう」と考えてしまう見出しですね。
ご安心ください。ただ言い換えをするのではなく、ロジカルに分析していきます。
業務を行っていると、職務上の立場、裁量、経験、人間関係。複数の要因が必ず関わってきます。
プラス、マイナス限らず認知バイアスがかかっていると「自分の都合の良い数字」を無意識レベルにも選んでしまいます。
問題発見の仕組み:悪くなった時に気づき、言える状況づくり
筆者はいくつかの会社を経験してきましたが、年々成長を続ける企業に共通する特徴はこの環境づくりが整っています。
作業時間の余裕がある状態
環境づくりの中で、特に重要なのが時間の創出です。
作業のみに集中すると、人間の思考のパターンは単純化してゆきます。
完了させることを優先させるための思考が強くなるほど、都合の良い数字をチェリーピッキングしやすくなります。
報連相の頻度
基本的に報連相の頻度が低いマーケティング施策は失敗します。
この失敗の多くは「共有漏れ」が原因となるケースです。
社内、委託等限らず、フラットに最新の状況が共有できる環境づくりをおすすめします。
ツールでのチェックは諸刃の剣
よくある環境づくりで、ツールチェックをしたら属人性がなくて良い。
と言われるケースがあります。
基礎の構成に最適
基礎チェックに関しては間違いなくGoogleAnalyticsや、Salesforceなどのツールが人間よりも優秀です。
特にデータ型が決まっている物ほど、右も左も分からない時期のチェックツールとしてはベストです。
意図はツールに組み込まれていない
どのような意図で、どのように、また基準値が……
と考え始めた時。必ず「ツールでのチェックに限界がある」と感じます。
特に零細施策だが、1度だけ集計したい。
のようなニーズには、ツールを使って組み込みは向いていません。
AIやアルゴリズムにも何かしらバイアスがかかる
ツールに関連してAIなどの機械学習・アルゴリズムに任せればいいじゃないか。という話が出ます。
基本的に公共のAIであれば「学習のデータ量」が一定を超えるため良いと考えられますが。
「独自AI」には特に注意しなければなりません。
文字通り学習するわけですから、学習する元のデータに「偏り」があるとAIですら「バイアス」を持ってしまいます。
しかもそれが人間より早いサイクルで訪れるため、一定の学習量を超えるまでAIやアルゴリズムは人間よりも極端な選択を取り続けてしまうケースがあるのです。
一般化されているものほど集まるデータ量は多くなりますので、よりAIの種類は淘汰されていく状態です。
ブロックチェーンなどの「複数の参照」が可能な方法もありますが、込み入るため今回は割愛します。
AIの選び方は企業の顧客数、もしくはサンプル数に比例します。
基本的にはマーケティングに関連するどの業界も、大手を選ぶしか現在選択肢がありません。
認知バイアスを淘汰した負けない法則を歴史から探る
歴史に残っているものは、かなり多くの淘汰が繰り返された「世代を超えたマーケティングのお手本」になっています。
根強い人気のエジソンの格言
私は失敗したことがない。
ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。引用元:トーマス・エジソン
とても良い言葉ですが、この言葉を成立させる背景が必要です。
この部分にマーケティングで負けない法則が隠されています。
情報の蓄積と検証・フィードバック体制
基本的に体系化された検証は下記の手順を踏襲しています。
- Step1 目的に合わせた仮説立て
- Step2 仮説数値の入れ込み
- Step3 調査・実証
- Step4 仮説検証
- Step5 実数値に合わせた認知修正
- Step6 目的達成のための仮説立て→Step3に戻る
派遣事業者の営業活動に置き換えて考えて見ましょう。
- Step1 (仮説)特定の地域は向上が多いので期間雇用の求職者が多い
- Step2 (数値策定)工場周辺3kmにXX円で5000通のDMを送り、50人は接点がある
- Step3 (調査)実際にDMを送る
- Step4 (検証)2週間時点で10人からしか問い合わせがなかった
- Step5 (軌道修正)ポストよりもスマホのほうが接触機会が多い
- Step6 (仮説)スマホ広告をXX円で同額出してみる→Step3に戻る
このように、うまくいかない方法が一つ、また一つと見つかり、予算を無駄にしないための条件を増やしていける状態です。
営業手法の中で「PDCA」と言われる効果促進の考え方に近いですね。
また、別の記事でご紹介する予定ですが、プランのための仮説ではなく「チェックのための仮説」を意識すると負けない法則へ一歩踏み出せています。
「温故知新」はマーケティングの基礎
まず、マーケティングの基礎から振り返ってみましょう。
「新しいことをやりたい!」「革新的なアイディア」
と言った選択肢にバイアスがかかってしまった認識を覆すのはとても難しいです。
人類の考えるものに完全に新しいは無い
基本的に、すべての人類が思いつくものは、必ず他の誰かが思いついています。
ことわざとしては「車輪の再発明」と言われる内容がありますが、再発明を恐れないことが重要です。
アイディアを形にしたり、公表する事により、他者から評価が入ります。
そして、思いついたが実行していなかった人。アイディアのみの思考を出し抜けるのです。
まさしくこの記事は、様々な情報を集めた車輪の再発明そのものでしょう。
色々な企業に溜まった情報や、やり手の担当者は言葉にできなくともきっと気づいています。
少しでも「気づき」を読者である「あなた」が1つでも得られたのであれば、これは私の負けない法則の正解の一つでしょう。
きっとあなたは、記憶に限らず深層心理などでこのサービス「アドオペ」の名前を覚えてしまいます。
戦う相手は他社ではなく、過去の自社
マーケティングに関心がある人の特性上、企業に関連する人物である。
と考え他社、自社と表現しましたが、これは他人、自分でも良いです。
広告のキーワードでの競合、他社とコンペなど。
他社と競うタイミングが多いので忘れがちですが、マーケティングの基礎を振り返ってみましょう。
マーケティングの数少ない緻密に研究された著書「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」を一部意訳すると、マーケティングとは売れる仕組みである。と読み取れます。
仕組の中にも認知バイアスが潜り込みやすいため、注意が必要です。
ビジネスアセットを利用し、その仕組に業務を合わせるのは他社ですでに評価された仕組みにより、バイアスを減らし確認する上で
「他社よりも~」は売れる仕組みではない
基本的に仕組みの定義にもよってしまいますが、他社よりも安い、他社よりも便利、などは自社の強みではなく他社の弱みです。
そのため、相手に改善されてしまえば売れなくなります。
一見、優位性が高いことにより「良いもの」と考えがちです。
他社・及び他者に基準を持たせてしまう形ですので、良し悪しの数値に対して意図的であろうと無意識だろうと偏りが出てきます。
マーケティング基準をどこに置くかが、重要かつ難しいポイントなのです。
例えば、よくあるケースですが。
- 自社の社員を基準
- 競合との順位を基準、
- お客様の満足度を基準
この3つで比べた時に、同じ商品でも100点満点で下記のように変わってしまいます。
- 自社の社員を基準=50点
- 競合との順位を基準=70点
- お客様の満足度を基準=90点
社員の人は主体性が高いが、商品の開発に関われないなどの事業をモデルに考えると「他社と比べて悪くないんだけど」とマイナスではない。とネガティブから0に対する考え方になります。
ポジティブな加点ではなく、減点されていない。
と認知的な偏りが出ているからこそ「商談で自身がない・うまく行かない」などが起こるケースもあります。
まとめ。負けないマーケティングとは
負けない法則とは、最終的には「よくあるマーケティング本」と同じ回答になります。
ここまでの内容を順に読んだ方であれば、認知に対して学んだ上で見ると受け取る意味が変わってきているのではないでしょうか。
自社の強みを見つけ、適正に評価し、問題点を発見できる体制を作る。
これに尽きます。
ただし、自社内の評価ではなく、お客様から見た際にどのように見られているかの定量的なデータを元にした内容です。
WEBで取れるデータは定量的なデータが比較的多いため、同一基準で見る仕組みづくりが出来れば確実に改善を繰り返していくことが出来ます。
PV、滞在時間、URLやページカテゴリ、フォーム送信の有無など。
上記のデータを元に、過去の自社に負けないように常に改善を繰り返してゆけば、確実な成長が見込めます。
負けないマーケティングは、認知バイアスを可能な限り減らし、適正評価する仕組みそのものです。