旧:Pardot(可読性を考慮し以下Pardotで統一)を利用してGoogle広告、Yahoo!広告にオフラインコンバージョンのデータインポート出来るのか。という点に着眼して今回施策を行いました。
この記事は、Salesforce、Pardotをご利用中の方、またはPardotを検討されている方向けの内容です。
結論:Pardotのみで対処は不可能
オフラインコンバージョンの施策する時に、Pardotは計測ツール&獲得後のオートメーションのツールとして考える必要があります。
計測面では、広告クリックのオフラインコンバージョンの追跡は出来ます。
また、Pardotの得意分野であるマーケティングオートメーションについては、今回割愛いたします。
WEB広告との連携の概要は、下記の記事を参考にしてください。
前提条件:オフラインコンバージョンにはID付与が必要
オフラインコンバージョンを計測するためには「広告から一度接点を持った」と判別するための、共通のIDが必要になります。
しかし、基本的な仕組みの中にこのID付与の仕組みはサポートされていません。
Pardotにもまた同様にこの仕組がありません。
各媒体ごとにこのIDの付与方式が違います。
Google 広告コネクターは使えないの?
この機能は文字通り「Google広告」コネクターです。
そのため、「Yahoo!広告」や「Facebook広告」「DSP広告」など複数の広告媒体出稿は計測出来ません。
今までも今後も、Google広告のみの利用の会社であれば価値は高い機能になります。
ただ、どちらにせよ単一利用では「参考値を見る」「MAのスコアを計測する」ためのツールです。
編集も可能ですがGoogle広告の公式画面のほうが良いので機能としては考慮不要
オフラインコンバージョンなどのビジター向けの仕組みや、技術的なアプローチを行うことは不可能です。
カスタムリダイレクトだと解決出来ない
次にカスタムリダイレクトを検討しました。
PardotやSalesforceに関わる方の多くが口を揃えて「広告も追えるはず」「広告にはカスタムリダイレクト」と言っていたので、半年ほど詳細まで検証して確認した結果を残します。
カスタムリダイレクトはあくまで「Pardotの計測」である
Pardotを全ての正の値として持つ場合、このカスタムリダイレクトはかなり優秀です。
ここに大きな罠がありました。
Pardotの基本的な考え方に立ち戻ってみましょう。
- ビジター:まだ直接の接点がないユーザー
- プロスペクト:メールアドレスなど入力したユーザー
この2点の考え方があります。
それに対して、Google広告や、Yahoo!広告のオフラインコンバージョンの利用意図は
「より売上に繋がりやすいビジターに有用なアプローチを学習する」
この点に価値があります。
一見コンバージョンに至ったユーザーのインポートを行うため、プロスペクトと考えがちです。
しかしながら、実際の運用で考えると、広告は「新規獲得」と考える必要があります。
ビジター向けに有用なアプローチを増やす手段としてみると、
- ビジター向けの手段=広告
- プロスペクト向けの手段=Pardotを利用したMA
と分けられます。
カスタムリダイレクトによってIDが消失する
この点が特に重要なのですが、カスタムリダイレクトを行うとGoogle広告やYahoo!広告などの各媒体が「自社の広告媒体のクリック」と認識するための「パラメータ」がURLから消失します。
ブラウザ上のCookieには残っていますが、既に発行されたCookieをチェックするのではなく「URLからCookieを発行する仕組み」が各媒体から提供されているため、システム的な順序が逆になります。
仮にフォームからのIDの保持が出来ても、クリックして離脱したユーザーが突然オフラインコンバージョンとして入るわけなので、中間データが抜けた価値が薄まったデータとなってしまいますので注意が必要です。
Pardotでビジターを正確に計測するメリットが少ない
基本的にPardotの活用はMA、リードナーチャリングに重きを置かれたツールです。
しかし、Google広告やYahoo!広告のような「オフラインコンバージョン」を入れることによりビジターの精度が高くなる媒体ではなく、Pardotを正の値として持つ理由はありません。
オフラインコンバージョンのインポートとPardot連携回避策
Pardotにビジターデータを持たせる価値がある会社様は、どうしても繋げたいというケースもあるでしょう。
この場合、WEBサイトとPardotのAPIを利用します。
※カスタムリダイレクトは利用しませんのでご注意ください。
注意:こちらの回避策は、工数都合上検証を行っていなため参考までの記載です。詳細は保証できません。
APIの利用方法としては下記があります。
広告媒体からアクセスが有った内容をAPIに合わせて送信するとPardotがどの広告媒体から流入したかを判別可能になるかと思います。
参考:PardotAPIについて
最終の目的はCRMのオフラインコンバージョンのインポートと忘れずに
Pardotを利用していると、ツールの金額からどうしても「無理にでも使わなければ」という考え方に陥ってしまいがちです。
筆者も一度はその思考になりました
しかし、実際に技術的なつなぎ合わせを行う際に、そもそもPardotに繋げる価値と、繋げたことによる損失の両方を考える必要があります。
オフラインコンバージョンを考える時に、Pardotはノイズになりやすいので、一旦「Salesforceと広告の連携」で整理して考えるとベストです。