Threadsではどのような個人データを取得しているのか、X(Twitter)と比較しつつ、Threads広告が始まった際に予想されるターゲティングを紹介します。
※Threads広告に関してはまだ公式から発表はありませんので現段階の情報を元に予想される仕様をご紹介
WEB・SNS広告はなぜ個人情報を収集するのでしょうか。
WebサイトやSNSを見ていて、「自分が関心の高いジャンルの広告ばかり見かける」と感じたことはありませんか?
広告媒体側が、あなたの属性を推定して「ターゲティング(表示する広告の絞り込み)」をしているからです。広告媒体側は、ユーザーの興味や関心を推測して、興味を持ちそうな広告を表示するために、個人情報を収集します。ユーザーの年齢、性別、居住地域などの基本的なデータに加えて、興味関心やインターネットの検索・閲覧履歴などの行動データを使用します。
Metaの収益モデルは広告収益
Metaの収益モデルは、SNSユーザー向けの広告ビジネスによる広告収入が大半を占めています。広告収入は2023年にMetaの総収入の97%が広告収入です。
参考:Meta 2023年第2四半期(4月-6月)業績ハイライト
Meta広告は、Meta社が運営するInstagramとThreadsに関連した広告です。これらのプラットフォームはMeta社が所有しており、広告は同じシステムを共有しています。FacebookとInstagramも同じ広告管理画面を使い、データも共有しています。Threadsもおそらく同様に統合されるでしょう。
Meta広告は他の広告媒体と比べてユーザーデータの保有率が高く、正確なターゲティングが可能です。これにより、広告成果が向上しやすく、今後Threads広告でも同様の正確なターゲティングが期待されます。
TwitterとThreadsのデータ収集項目の比較
アップルのApp Storeで確認できる情報によると、様々な用途で個人データを収集していることが分かります。以下に図にまとめました。
収集する個人情報の備考
①財務情報
・支払い情報
支払い方法、支払いカード番号、銀行口座番号など。アプリが決済サービスを使用しており、アプリの外部で支払い情報を入力した場合、その情報はこのセクションには表示されません。
・信用情報
クレジットスコアなど。
・その他の財務情報
給与、収入、資産、負債、その他の財務情報など。
②機密情報
人種または民族データ、性的指向、妊娠または出産情報、障害、宗教的または哲学的信念、労働組合への加入、政治的意見、遺伝情報、生体認証データなど。
サードパーティー(外部の事業者)による広告のために取得する項目
ThreadsとX(Twitter)のサードパーティ(外部の事業者)による広告で利用する情報収集する項目は以下です。
①Threadsに収集されるデータ
- 購入(購入履歴)
- 財務情報(その他の財務情報)
- 位置情報(詳細な位置情報、おおよその場所)
- 連絡先情報(所在地、メールアドレス、名前、電話番号、その他の連絡先情報)
- 連絡先
- ユーザーコンテンツ(写真またはビデオ、ゲームプレイコンテンツ、その他のユーザーコンテンツ)
- 検索履歴
- 閲覧履歴
- 識別子(ユーザーID、デバイスID)
- 使用状況データ(製品の操作、広告データ、その他の使用状況データ)
- 診断(クラッシュデータ、パフォーマンスデータ、その他の診断データ)
- その他のデータ
②X(Twitter)に収集されるデータ
Threadsは大量の個人データを収集しているように見えますが、この点について
理解を深めるためにもX(Twitter)が収集するデータについても確認してみましょう。
- 購入(購入履歴)
- 位置情報(詳細な位置情報、おおよその場所)
- 連絡先情報(メールアドレス)
- 閲覧履歴
- 識別子(ユーザーID、デバイスID)
- 使用状況データ(製品の操作、広告データ)
- 診断(パフォーマンスデータ)
予想されるThreads広告のターゲティング
ThreadsとXを比較した結果、Threadsの方が多くの情報を収集していることが分かります。
Threadsが情報収集している項目から予想されるThreads広告のターゲティングを説明致します。
財務情報
Meta広告のターゲティングでは世帯収入の上位10%、上位10~25%、上位25~50%、上位5%を選択することが可能です。比較的高収入なユーザーがターゲットである場合は効果を発揮しそうです。X(Twitter)広告では年収等でターゲティングができないため、年収によって購入者層が変わる商材の場合、Threads広告の世帯収入ターゲティングを利用するのは得策と言えるかもしれません。
連絡先情報(所在地、メールアドレス、名前、電話番号、その他の連絡先情報)
上記の情報が取得されていることから、カスタマーリストの類似配信が利用できそうです。顧客データを活用し、ユーザーリスト内のユーザーに類似すると判断されたユーザーに広告を配信する方法です。顧客データは、名前、住所、メールアドレス、電話番号などの連絡先情報をアップロードしてリスト化します。リストに記載されていたユーザーへの広告配信も可能ですし、既存顧客に似た特徴があるユーザーに対しても広告配信することが可能です。
Metaが保有している多くのユーザー情報を元に機械学習して広告配信が可能になるので、今現状のMeta広告でも成果が上がりやすい手法になっています。Threads広告が始まった際、Threads広告のターゲティングで試してみても良いでしょう。
検索履歴
現在のMeta広告にはない機能ですが、検索履歴を収集しているのであれば、ユーザーが検索したことがあるキーワードに対してターゲティングを行い、広告配信することが可能になるかもしれません。
例えば、Threads投稿で「家電 おすすめ」と検索したことがあるユーザーに対して、家電量販店のThreads広告を出してみるなどです。tiktokでもアメリカで検索広告が開始されるなど再び注目されています。
Instagramでも2023年3月21日に検索結果での広告のテストも開始したことも告知されました。
(参考:Promote Upcoming Launches And Reach More People With New Instagram Ads)
Threads広告のターゲティングで検索広告も新たなターゲティング方法として期待しても良いと思います。
まとめ:Threads広告のターゲティングでは精度の高い広告配信に期待
X(Twitter)に比べ、Threadsでは多くの個人情報を収集していることが分かります。Metaは現段階でもユーザーデータの保有率も高いため、Threads広告のターゲティングではユーザ-の興味関心にあった精度の高い広告配信ができることが予想されます。