LINEコンバージョンAPIという機能が2022年9月22日にリリースされました。
弊社クライアントの中で「このAPIを使うほうが良いのか」「そもそもどのようなものなのか」「ITPなどの影響が……という人がいる」などの困りごとがあったため、解説記事にしていきます。
この記事は、BtoBのWEBマーケティング担当者、広告運用者向けの記事です。
開発のためのAPI情報を知りたい方はこちらの公式ページを参照してください。
結論:すぐには対応不要
結論から申し上げると、BtoBの企業であれば早期導入は不要です。
今後機能拡充がされ、CVの値(金額)などのデータが保有できるようになったタイミングで再検討で良いでしょう。
経路確認をしたいという方は、下部へスクロールをして先に導入したい仕組みの要項をお読み下さい。
LINEコンバージョンAPIはLINE外のコンバージョン収集の仕組み
LINEの管理画面で今まで収集出来なかったコンバージョンを把握するための仕組みです。
実店舗での販売など、オフラインの行動を計測したり、LINE外での店舗アプリのイベント(行動)を計測するなど、リアル店舗を持ったユーザー向けの仕組みがメインです。
既存のタグ等には現状影響はありません。
WEBやLINEアプリで取れるデータ以外の計測でデータを多く貯める
LINE広告はCV数に応じた機械学習を行い、配信を最適化する仕組みがあります。
機械学習を最大限活用するためには、ビジネスの目的(販売や契約)において重要なKPIのデータをより多く、正確に貯める必要があります。
従来のWEBコンバージョンの仕組みでは、ユーザーが店舗で買い物を行ってしまうとLINE広告から入ってきたがデータが貯まらず「AIがCVに至らないユーザーと誤解する」状態がありました。
しかし、このコンバージョンAPIを利用することにより、広告主が保持するデータを元に機会損失する可能性を最小化する事が出来るという物です。
LINE内の行動データと連携すればほぼ全ての接点は獲得出来る
公式のリファレンスを確認していくと、LINE内での行動データはMessageAPIを利用して取得する必要が出てきます。
LINEコンバージョンAPIと、MessageAPIを併用して外部サーバーで突合させれば、WEBサイトの行動履歴と一緒に全てのデータが連結されます。
と、「なんのこっちゃ」と思うのも無理はありません、仕組みが少々複雑です。
API連携の深い知識などのシステム領域の知識がかなり求められます。
BtoBでは件数も限られていますし、広告運用・ホームページ制作の領域ではないため、システムエンジニアのいるサービスに依頼する形になりますので、外部に委託する場合は費用対効果があまり見込めない可能性が高いです。
コンバージョン値が管理画面にないため売上管理には不十分
利益率の計測を行う場合、ROASやROI(広告の利益率)などの指数を目標に上げるケースがありますが、LINE広告には「コンバージョン値」の機能は、執筆時現在ありません。
そのため、利益率の管理などを行う場合外部のシステムやエクセルなどで計算する必要があります。
外部システムにて計算された結果、利益が出たと判断されるユーザーをイベントとしてAPIから返す。のような処理を行う場合はコンバージョンAPIを利用しますが、かなり特殊な状況です。
無理に管理画面にデータを保持する必要は無いと言えます。
今後機能追加された場合、この機能の重要度は変わってきます。
BtoB広告運用では、実際のイベント参加や商談化を計測出来る
BtoB企業がコンバージョンAPIを導入する一番の理由は「リアルイベント」「商談」などのオフラインでの行動が可視化される点にあります。
いわゆる「見える化」です。
また、マーケティングオートメーションの学習内容としても最適です。
この2点が重要度が高い場合、コンバージョンAPIの利用してデータ連携を試みる必要が出てきます。
ただし、他のデータが確実に取得できていない段階では、リソースの無駄遣いになる可能性が高いため、別の施策に充てることをおすすめします。
コンバージョンAPIより先に導入したい仕組み
公式に提供されている仕組みで、「友だち追加ガイド」というものがあります。
こちらはQRコードに「経路」「流入先」「キャンペーン」の情報を入れることにより、各QRコードやURLの経路を訪れた人の獲得比率を把握することが可能です。
20件以上で下記の図のような流入別の効果測定が閲覧できるようになります。
広告を出していて、ホームページでの流入を確認したい。という場合はコンバージョンAPIを導入するよりも簡単に導入出来るため、まずはこちらを利用しましょう。
まとめ:獲得後のイベント(コンバージョン)が重要な場合にコンバージョンAPIを利用する
コンバージョンAPI自体はBtoCモデルのビジネス(商店やECなど)と相性が良い機能です。
BtoBのビジネスモデルですと、システムを構築する手間に対してリターンが少なくなりがちです。
「LINE&リアルイベント」の会社であれば多少価値が出てくるようにも思えますが、商談の内容や広告費への投資など、他に優先するべき投資先は多くあるかと思います。
BtoBモデルでのより詳細の構築方法などが必要な方は、資料をお渡しできますのでお気軽にお問い合わせください。
フォームに「LINEコンバージョンAPIのBtoB用構築方法がほしい」と入れてください。
※この記事はLINE Conversion API v1 (1.0.0)のバージョン情報で作られています。バージョン変更に伴い実際内容が異なる場合がございます。