マーケティングを考えるとき、まず「何を売るか」「どう売るか」から考えていないでしょうか。
しかし、実務において最も成果を左右するのはその前段階です。
それは「誰に売るか」です。
本シリーズの第1回では、この最も重要で、しかし見落とされがちなテーマから整理します。
「誰に売るか」がマーケティングのすべてを決める理由
マーケティングを考えるとき、多くの人が最初に考えるのは「何を売るか」や「どう売るか」です。
しかし実務の現場では、それよりも先に決めなければならないことがあります。
それが 「誰に売るか」、つまりターゲット設定です。
私は金融業界出身ですが、金融の世界ではこの考え方が非常に徹底されています。
金融商品は顧客の属性によって提案が大きく変わるため、まず顧客像を明確にする必要があるからです。
マーケティングでも同じです。
ターゲットが決まらなければ、商品設計も価格戦略も広告設計も成立しません。
マーケティングで最も重要な「ターゲット設定」とは
ターゲット設定とは、自社の商品やサービスを届ける顧客層を明確にすることです。
具体的には次のような情報を整理します。
- 年齢
- 職業
- 家族構成
- 生活スタイル
- 日常の課題
ここが曖昧なままでは、マーケティングは成立しません。
例えば「30代女性向け」といった表現では、まだ具体性が不足しています。
実務では、さらに具体的な顧客像を想定します。
ターゲットによってマーケティング戦略は変わる
同じ商品でも、ターゲットが変われば戦略は大きく変わります。
例えばハンバーガーを販売する場合を考えてみます。
学生向け
- ボリューム重視
- 手頃な価格
- 手軽さ
健康志向のシニア向け
- 素材の安全性
- カロリー
- 健康価値
このように、ターゲットが違えば
- 商品設計
- 価格
- メッセージ
すべてが変わります。
つまり、ターゲット設定はマーケティング戦略の出発点なのです。
| 要素 | 学生向け | シニア向け |
|---|---|---|
| 訴求軸 | 量・価格 | 健康・安心 |
| 商品設計 | ボリューム重視 | 低脂質・素材重視 |
| 価格 | 手頃さ | 価値基準 |
ターゲットを絞ると売上は減るのか
ターゲットを絞ることに不安を感じる企業は少なくありません。
「対象を狭めると市場が小さくなるのではないか」という考え方です。
しかし実際には逆の結果になることが多くあります。
- 誰にでも向けたメッセージは誰にも刺さらない
- 特定の顧客に向けたメッセージは強く反応する
金融営業でも同じです。
顧客の状況を無視した提案は成立しません。
顧客を特定し、その状況に合わせた提案を行うことで初めて成果が生まれます。
マーケティングで重要なペルソナ設計
ターゲット設定をより具体化する方法として、ペルソナ設計があります。
ペルソナとは、具体的な顧客像を設定するマーケティング手法です。
例えば次のような設定です。
- 都内勤務の30代共働き家庭
- 仕事帰りに保育園へ迎え
- 夕食は短時間で作りたい
ここまで想定すると
- どんな商品が必要か
- どんな言葉が響くか
が見えてきます。
WEBマーケティングではさらに細かく設計します。
- 朝最初に見る情報
- 通勤時間
- 勤務時間
- 行動パターン
これらの情報が広告配信やマーケティング施策に直接影響するためです。
まとめ|マーケティングは「誰に売るか」から始まる
マーケティングの出発点はシンプルです。
あなたの商品は、誰のためのものですか。
この問いが明確になれば
- 商品設計
- メッセージ
- 広告
- 営業戦略
すべてが一つの方向に揃います。
マーケティングは技術ではなく設計思想です。
その出発点は常に 「誰に売るか」 にあります。









