商品名が変わった時にSEOページの更新はいつするべきか

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目次

この記事は、ベンダー、外資企業、コンテンツホルダーそれぞれの立場に合わせたコンテンツ修正の指標として作成しています。
SEOの記事の修正タイミングや修正方法など、実務やタイミングの調整にお役立てください。

現存のSEO記事の役割をサイト・事業ポジションで分ける

内容を読み進める上で、まず現存のコンテンツの取り扱いをしている立場について分類分けします。

  1. 一次事業者
  2. 取次事業者
  3. 利用者、競合

SEOを考える場合、関連する場合ほとんどがこの立場のいずれかに収まると思います。
他に良い言葉が見つからなかったため暫定的に「取次事業者」と記載しています

細分化すると下記のような形です。

  • 一次事業:メーカー・ベンダー・サプライヤー
  • 取次:外資ビジネス
  • 取次:コンテンツホルダー
  • 取次:卸売・商社・アフィリエイター
  • 利用者:競合メーカー
  • 競合:ユーザー・インフルエンサー

各それぞれの立場によって、情報の降りてくる速度の違いや、状況把握をするための施策が異なります。
どのタイミングが適切化を選ぶ上で上記の認識を持っていることが重要です。

一次事業者の場合のSEOの対応

この章は、製造メーカーやベンダー、サプライヤー(商社)の立場の方の場合を想定しています。
名称変更を行う権利を有している前提になります。
権利を有していない場合は、取次事業者の内容をご確認ください。

商品名の変更による影響

よく変更の要点となるポイントを書き出しました。

  • 検索時の旧コンテンツと新コンテンツの出し分け
  • ブランドのイメージの一新
  • 旧商品との差別化
  • 話題性の創出
  • マーケティング機会の創出(キャッチフレーズ化)
  • 関連事業者との接点創出
  • 株主の判断材料

全てにおいて、良い影響、悪い影響それぞれがあります。

SEOページの変更は周知と同時に旧名称を残しつつ即時に行う

基本的に一次発信者であれば、商品名の変更については即時変更して問題ありません。
ただし、旧名称についても「新商品名(旧:元商品名)」のような周知の仕方がベストです。

一定の期間、検索需要で旧名称で調べた方が「該当のページ」のタイトルが変更されているとたどり着きづらくなります。
そのため、新商品名、旧商品名の両方をタイトルタグに設定する必要があります。

アルゴリズムにも正確に伝えられる

現在、AIがSEOの順位決定をしているため「名称変更の事実」をどこで確認するかが重要になります。
プレスリリースなどを行い、多くの場所で周知したとしても「公式の声明」の重要度がどこまであるかが不明な以上対策は必要です。

公式サイトに新旧の名称があれば「どちらもこの商品について言及している」とAIが判断する材料が増えるため、機械学習の観点から残すのが良いと考えられます。

そもそもなぜ商品名を変えるのか

商品名の変更は、売るための手段や市場のコントロールを行うために有効です。

売るための名称変更

この点については、日本のマーケットで伊藤園の「お~いお茶」が有名です。

1984年に緑茶の飲料化に成功し、翌年に世界初の緑茶飲料「缶入り煎茶(せんちゃ)」を発売しました。そして1989年2月1日に、「お~いお茶」にネーミングを変更し、現在に至ります。

参考:伊藤園公式

「缶入り煎茶」ですと、工業的な印象ですが、「お~いお茶」のほうが身近でキャッチーです。

文字数は同じで表記の制限も少なく、パッケージも「身近」である印象が強いですね。
「お~い」は生活の中で取り交わされる用語なので、ユーザーが商品名を呼ぶ抵抗感が少なく、自然と生活の中に溶け込むことが出来ます。
しかも「お~い」と誰を読んでいるのか。などの話題にもしやすいので、改めて考えてみると興味深い商品名です。

マーケティングの成功と呼ぶにふさわしい事例でしょう。

名称変更の注意点

ただし、キャッチフレーズ化にはもちろんデメリットもあります。
印象をわかりやすくする事に拘るあまり、表記ゆれや無関係の商品との競合の可能性が出てきます。

例:
イヤフォンの商品名が「MI_5096(ミュージックイヤフォンシリーズ)」のため分かりづらいため名称変更をしようと考えた場合。
商品を「重低音マスターV1」に変更する場合。

イヤフォン以外の「スピーカー」「楽器」「車・バイク」に関連する商材でも使われるような名前なので、徹底的な下調べが必要になります。

特にSEOの視点で見ると、類似の名前を作りやすいのが最大のデメリットです。
商標と仮に取得したとしても「重低音イヤフォンV1」などは規制が難しいと考えられます。
また、表記ゆれの可能性を考慮すると、他社商品に流れてしまう可能性も出てきます。

商標で「重低音イヤフォン」などは取得が難しいなど市場のコントロールが効かなくなるため、名称は独自性が重要です。

また、他社商品にあえて寄せてしまうと「商標侵害」などのリスクを伴いますので、商品名は下調べを必ず行うようにしてください。

現存の市場品質のコントロール

利用ユーザーが多い場合は、市場品質のコントロールのために名称を変更することがあります。

SEOに身近な実例を上げると「アドワーズ」から「Google広告」に変更した理由の一つだと考えられます。

市場のシェアをある程度を占めたビジネスの場合、品質の低いコンテンツや古いコンテンツが問題になるケースがあります。
特に製品のアップデートするビジネスの場合はなおのことです。

利用者によるSEO記事が多くなってくれば、古いコンテンツと新しいコンテンツの意味合いが大きく変わってきます。
さらにコンテンツ管理者が不明なケースも増えてきます。
品質の低いコンテンツにより、本来その商品が届けられる価値を阻害されていしまっている場合。
商品にかかわるビジネスが多ければ多いほど、古い情報が淘汰されこの名称変更には大きな意味が生まれるのです。

取次事業者の場合のSEO対応

この章は、弊社のようなコンテンツホルダー、外資ビジネス、卸売、商社、アフィリエイターなど、商品名決定には関われないがビジネスとして関わっている事業者の立場に合わせた内容です。

直接該当商品に関わらない方、利用者向けには次の章で解説しています。

基本的に権利者の指示・意向に沿うしかない

商品名においては、権利者の指示・意向に沿わなければ、良好な関係を築けません。
そのため、どんなに商品名のキーワードに対してSEO対策を行っていたとしても、変更を余儀なくされます。

交渉の余地はビジネスの規模によって決まるかと思います。
変更元が大規模なビジネスの場合は、コンテンツホルダー側に交渉の余地はありません。

変更の対応タイミングや、ベストな時期について

旧製品名の使用を制限されていない場合は変更のタイミングを「Googleトレンド」などが参考に出来ます。

Googleトレンド

実例を2件上げると「Googleアドワーズ」と「Pardot」が分かりやすい数値が出ました。

アドワーズの変更のタイミング例

2018年7月24日、Google AdWords」の名称が「Google 広告」に変わりました。
参考:Google広告公式

この画像を見てみると、名称変更をした月から検索需要が逆転していることがわかります。
もとから「Google 広告」のように調べる人は多かった背景もありますが、旧ツール名での検索は数ヶ月の単位で激減しています。

公式の徹底した名称変更や、アナウンス、プレスリリース、PRの成果でしょう。

変更時期としては、公式の変更タイミングにあわせてコンテンツも変えるべきだという結果になります。
このようにGoogleトレンドである程度数値が出る段階であれば、そのままSEOの対策ワードを変更しても良いと考えられます。

Pardotの変更のタイミング例

このサイトでも度々作成している旧:Pardot(Account Engagement)の記事のような名称変更のタイミングについてです。
記事の執筆は2022年6月なので、2ヶ月ほどしか経っていない執筆時点での考え方になります。
変化があった際は、こちらの内容を更新していく予定です。

2022年4月7日より、PardotはMarketing Cloud Account Engagementに製品名が変更になります
参考:Salesforceサクセスナビ

公式のページにはこのように記載がありますが、実際の検索需要としては以下の画像のように全く切り替わっていません。

PardotからAccountengagementに名称変更がされたが、検索需要はPardotしかない

そのため、このアドオペのサイト内でも「Pardot」のキーワードに対策を入れ、AccountEngagementについては冒頭に少し触れる程度に押さえています。
このサイトのSEOのゴールとしては、「弊社にマーケティングについての相談をしてもらう+関連市場への認知をさせる」がゴールですので、認知度の低いキーワードに対策する理由が少ないため、このような対策方法を取っています。

実際にこのキーワードに対して対策を行っているページは下記になりますので、参考にしてください。


Googleトレンドに出ない場合

商品の市場規模が小さく、そもそもGoogleトレンドに表示されないケースもあります。
その場合はSNSでの検索結果を元に判断すると良いでしょう。

製造・販売元が積極的にプロモーションを行ってるサービスであれば、様々な形で変更の時期の推察が出来ます。

このようなケースの場合、Googleアラートに商品名を登録しておくと便利です。
WEB上の情報を自動で集めてくれるためわざわざ探しに行く手間がなくなります。

利用者や競合ビジネスにおけるSEO対応

根本的に利用者が何か気にすることはありません。
SNSなどで名前が変わったから「何か言われるのではないか」と心配する必要は不要です。

競合企業の名称が変わったとき

資料などで、法的に健全な引用を行っている場合。
最新のものに変えるタイミングはコンテンツホルダーのタイミングと同じで良いでしょう。

SEO対策で他社のキーワードを使っている場合、問題が起きやすいため通常は対策を入れる必要がありません。

名称変更により自社の製品に影響がある場合

商標の侵害などの理由で、自社の指名ワードのSEOが汚染されている場合。
基本的にSEO対策として動くよりも、法的な権利の主張を行う形がベストです。

商標取得時に依頼した弁理士や弁護士に相談してください。

商品名の変更に対するSEOについてのまとめ

色々な確度から、商品名変更とSEOとの関係性について解説しました。

商品にかかわるビジネスの場合、基本的に「ユーザー視点での利便性」を第一にした対策であればほとんどの問題は解決されます。

過度に考えすぎず、気楽に「一人の利用者として名前変更を認識している」ぐらいの立ち位置でSEOコンテンツの管理、営業活動が出来るのが健全ですね。
名前の変更が気になるビジネスには、多くの人が関わっているため、個人単位ではあまり重く捉えずに行動しましょう。

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