バズワードとは
最近では「AI」や「DX」、「Web3.0」などのバズワードをよく耳にすると思います。
こうした言葉を耳にすると、新しい世の中がやってきたと思いますが、
「何だかすごそうだけれど、ぼんやりしてよくわからない」という言葉だったりもします。
バズワード(英: buzzword)とは、定義が曖昧でありながら、権威付けする専門用語や人目を引くキャッチフレーズとして、特定の時代や分野の人々の間で通用する言葉のことである。コンピュータの分野で良く使われるが、政治など広い分野で使われる。
参照:wikipedia
バズワードは間違った情報浸透が中心
バズワードとして使用される言葉はそもそもちゃんとした定義があることがほとんどにも関わらず、なぜ本来の意味が伝わりづらいのでしょうか?
原因として、
- 誰かが簡単に説明しようとして大きく意味を変えた。
- 興味を引くために都合よく解釈して情報発信した。
等が挙げられると思います。
その結果、用語の意味が誤ったり不明瞭になりバズワードになってしまうと考えられます。
言葉だけが独り歩きしがちで実際には違うことを話していたり、概念だけの議論で実態が伴わないことは多くあります。
しかし、バズワードは何もないところから生まれるわけではなく、注目の技術やトレンドが注目された結果発生するものです。
注目されている新しい言葉を使うことで何かすごいことをやっているように錯覚してしまうのは問題ですが、今だけ流行っている言葉だからという理由だけで距離を置いてしまうのも問題です。
バズワードの実態を理解しつつ、振り回さない程度には技術動向は追っておきたいものです。
間違った用語が浸透した実例
例えば最近「DX」という言葉を良く聞きますが、DXの定義はどういったものでしょうか。
経済産業省が「デジタルガバナンス・コード2.0 」にDXの定義をしています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
出典:経済産業省
この文章を読めば、デジタル技術を活用して経営課題を解決し、新しい価値を生み出していくことが分かると思います。
しかしながら、昨今の使われ方としてDXの意味はより広義、もしくは曖昧な「デジタル化」「スマホで見れる」などの意味合いとして使われがちです。
次にDXを例にバズワードマーケティングを説明致します。
バズワードマーケティングの欠点
バズワードマーケティングとは、商品やサービスを宣伝する際に、注目を集めやすいキーワードや話題を使って、ユーザーの関心を引きつけるマーケティング手法です。
具体的には、SNSやブログ、ニュースサイトなどで話題となっているキーワードやトピックを自社の商品やサービスに関連付けて、広告を出したり、コンテンツを作成したりすることがあります。
「DX」というキーワードを例にしてみます。
このキーワードに関連させ、「この製品やサービスを使えば、御社のDXが実現できます」といった広告を出しています。
多くの企業が「DXが実現できる」という広告文句を用いて、バズワードマーケティングを行っています。
一見すると、効果的な手法に見えるかもしれませんが、実際には逆効果になることが多いのです。
この手法には、二つの大きな欠点が存在します。
バズワードマーケティングの短所
①広範なターゲット訴求
第一に、広範なターゲット訴求につながる点が挙げられます。バズワードは定義が曖昧で不明瞭なため、顧客が思い描くイメージが幅広くなってしまいます。その結果、製品やサービスが提供する価値と、顧客がイメージする価値が合わなくなる場合があります。
例えば、「DXを実現するためのツール」という広告文句を使った場合、多くの顧客がDXという言葉に興味を持つかもしれません。しかし、一方で、その顧客が求めているのは経理のデジタル化であるのに対して、製品やサービスが提供するのは営業のデジタル化など、まったく異なるものである場合があります。そのため、ターゲット訴求が広がり、マーケティングの効率が低下する結果になることがあります。
②マーケティング的競合が激化
第二に、マーケティング的競合が激化する点が挙げられます。
あいまいな言葉をメインメッセージに使っている場合、異なる価値を提供する製品やサービスと競合することになる可能性があるためです。
同じバズワードを使用する企業が多数存在するため、短期間で激しい競争環境が生まれることがあります。
これらの欠点を回避するには、まずバズワードの定義を正しく理解し、顧客が何を求めているのかを分析することが必要です。
バスワードマーケティングでの競合との差別化のポイントは下記の通り。
- 自社の製品やサービスがバズワードの本来の定義の中で、どの部分でどのような価値を提供できるのかを明確にする
- 自社の製品やサービスが提供する価値と、顧客が求める価値が一致するように、具体的かつ明確なメッセージを訴求する
- 伝わらなくなってしまう可能性があるため、定期的に顧客とのコミュニケーションを行い、製品やサービスの改善点を把握しておくこと
バズワードマーケティングの有効な手段・注意する点
バズワードを絶対に使うべきではないかというと、そういうことではありません。
私が関わった案件でDXにかかわりがあるITサービスの広告運用での出来事を記載したいと思います。
社会や企業が興味を持っているバズワードの中に自社サービスを位置づけ、サービスへの認知を高めました。すでに興味を持っている人が多いバズワードにからめて、自社の商品を紹介するのです。
例えば、
営業レポートの作成など、細かな作業に時間を費やしてしまい、本来の営業活動に集中することができないという悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。そこで、私たちが提供するサービスは、このような雑務から営業の方々を解放することができます。
※実際の商材内容とは異なります。
「営業DX」という社会的に関心が高い文脈で説明をすることで潜在顧客への関心を広げることができました。社会的にニーズの高いテーマであれば、テレビや新聞、雑誌、Webメディアに記事ネタとして取り上げてもらえるよう動くことや、自社で関連テーマのセミナーを開くなどの手法もあります。
社会的に関心のあるテーマと自社サービスではそのテーマの中で顧客のどういった悩みを具体的に解決してくれるのか?を説明できるサービスは強いです。
ただ逆に失敗してしまった事例としては
お客様をコネクトするオリジナルアプリをご提供」
※実際の商材内容とは異なります。
こういった表現で売り込もうと考えたクライアント様が居ました。
LPやサイトのファーストビューの内容だと、新規営業を増やすような文言を載せているにも関わらず、商材としては既存顧客に対してのフォローやアップセル向上が主になりました。
そのギャップを埋めない限りは契約数が増えずらいですよと説得をしておりましたが、残念ながらクライアント様に最後まで認識して頂くことができぬまま、短期間でマーケティング支援が終わり、その後サービス停止してしまった案件もございました。
社会的にニーズの高いバズワードを利用することは、社会的に認知、関心をもっているユーザーも増えていることから、文章を読んでもらう引きとしての力は強いです。
そういった意味ではバズワードマーケティングは有効です。ただ、その取り上げたバズワードのテーマの中で、顧客が想像している悩みに対して具体的に解決策を提示できないサービスは弱いです。
まとめ:バズワードはあくまで手段。目的と入れ替えない
総じて言えることは、バズワードマーケティングは一時的な効果がある一方で、訴求ターゲットの広がりや競合の増加など、様々な欠点を持っています。
自社の製品やサービスが提供する価値と顧客が求める価値が一致するように、明確かつ具体的なメッセージを訴求することも重要です。
また、バズワードに依存しない独自のブランドメッセージを打ち出すことも長期的なブランドイメージの形成につながります。
そして、常に顧客のニーズを把握して製品やサービスの改善に取り組むことが欠かせません。
これらのポイントを抑えることで、効果的なマーケティングを行い、より多くの顧客との関係性を築くことができます。
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