この記事は広告管理者、もしくはSalesforceやHubspotなどのCRM管理者(顧客管理システム管理者)などを想定しています。
弊社内でも「拡張コンバージョンがあればGCLIDはいらないのでは?」という疑問があがり、具体的な公式・非公式含めてリファレンスになるものが見つけられなかったので、違いについて調査を行ったナレッジを公開します。
特にBtoBの広告管理の上で関連する内容を中心に調査結果を展開しています。
そもそもオフラインコンバージョンを計測する理由
根本的にこの課題の前提条件として、オフラインコンバージョンをなぜ計測したいのかを考える必要があります。
無意味に作業を増やす必要はありません。
WEB上で完結しないビジネスの場合に計測の壁がある
営業や接客など、お客様と話す機会があるビジネスの場合、WEBサイト上で取れるデータは限られてきます。
しかし、新規で獲得を目指す場合にフィードバックは欠かせません。
リアルな情報とWEBで獲得出来る情報の粒度に差が出来てしまっていたのが過去のシステム課題でした。
特に定量的なフィードバックを行うことができ、その結果をAI学習させることによりGoogle広告などの広告システムは進化し、そこの最適な形になっています。
数年後には、この定性的なデータフィードバックから意図を汲むような学習をしたAIが現れるかもしれませんが、必要なのは「今ビジネスをより良くする」というゴールがあり、待っていられません。
事実に基づくデータ連携を行うことにより広告管理の観点からも、ビジネス促進の観点からも有益な情報をフィードバックすることが出来ます。
今ままで確実な答えが持てなかった
「契約や売上につながった広告は何か」
といった質問に、答えが出るようになります。
Salesforce・Pardotを利用している方はこちらの記事も関連しています。
GCLIDなど広告IDを用いたオフラインコンバージョンの計測の流れ
広告IDを用いたオフラインコンバージョンの計測方法です。
Google 広告の場合「GCLID」、Yahoo!広告の場合「YCLID」など、各種広告媒体で主流のデータ計測方式です。
そのため、データの取得方法さえ確立してしまえば、オフラインコンバージョンに対応する流れが容易になります。
広告クリックをしたのが誰なのか、広告の結果CVが起きた後にどのような獲得状況になっているのか。
このデータの連携は「ID」を用いているため、引き継ぎさえできればどのような計測方法にも対応可能です。
電話クリックを行った人や、セミナー会場でQRコードを見せた人でも、クリックしたIDさえわかれば商談から広告までデータが戻せる形になります。
拡張コンバージョンを用いた計測の流れ
拡張コンバージョンは、Google 広告の機能のため、Yahoo広告などの他の媒体と同列に扱うことが出来ません。
仕組みとしては、Google広告タグを用いてデータ連携のターゲットを変更します。
クリックした人のIDでコンバージョンまでを計測しますが、フォーム送信時にメールアドレスをGoogle広告にも送信することにより、突合データが作られるという仕組みです。
簡単に申し上げると、
「WEB広告のコンバージョン設定は同じ。設定を変えるとオフラインコンバージョンが出来る」
となります。
拡張コンバージョンの場合残る課題
ターゲットにするものがメールアドレスになる仕組み上、電話発信の場合拡張コンバージョンでは取得出来ない状態にあります。
電話を主体とするコンバージョン計測の場合は、こちらに注意しましょう。
また、ハッシュ化したデータを送信する仕組み上、ちょっとした文字列の変化に耐えられない可能性があったり、データ送信がプライバシーポリシーなどの規約に引っかかる可能性があります。
事前に管理体制を見直すことが難しい場合、IDで取得した後インポートをするほうが結果的に工数が少なくなる可能性が残ります。
GCLIDの連携と拡張コンバージョンの連携はどちらが良いのか
執筆時現在、弊社見解としては技術的な問題がなければGCLIDを用いた計測をおすすめしています。
GCLIDなどの広告IDを使ったほうが良い場合
- 複数の広告媒体を利用している
- CRM管理者やシステム管理者に依頼が出来る
- 個人情報保護などので広告媒体に送信出来るデータに制限がある
- ある程度柔軟な計測を行いたい。
Google広告にデータ送信時など、一部のデータをハッシュ化するなどセキュリティ規定を考える必要がある場合。
また、代理店などの第三者が悪用できないようにする仕組みを考えると、ID連携のほうが複数の設定面で容易です。
拡張コンバージョンを使える条件
- とりあえずGoogle 広告のみでも良い
- とりあえずフォームの結果だけで良い
拡張コンバージョンは、100%の精度でなくても良いので工数を極力減らしたいという方に向いてます。
技術面は管理画面で設定、何らかの問題がある場合はGTM設定で完結するため、公式の手順を見て設定ができる範囲です。
顧客管理システムからはメールアドレスに紐づいた結果の情報のみ取得できれば、インポートも容易です。
しかし、コンバージョン値の最大化などの自動入札設定の場合、データが偏ってしまうため意図しない動きをする可能性があります。
どこまで先を見据えるか。何が目的かで選択する
基本的にGCLIDか拡張コンバージョンか、どちらを選択するにしても工数がかかることに差はありません。
そのため、ビジネススタイルにあったものを選択する形がベストです。
また、手戻りが発生するかもしれない、という場合はGCLIDを設定しましょう。
設定等でお困りでしたら、弊社がお手伝い出来ることが多いかと思います。
お気軽にお問い合わせください。