ThreadsがFediverseへ参加し、MetaがFediverseに広告エコシステムを提供する可能性

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目次

Threadsは、Fediverseに組み込まれ、ActivityPubと呼ばれる通信プロトコルを使用して、この通信プロトコルを使用して、この通信プロトコルをサポートする他のサーバとの通信が行われる予定です。引用元: Threadsとフェディバースについて

聞きなれない言葉があったと思います。
「Fediverse(フェディバース)」「ActivityPub(アクティピティパブ)」とは何でしょうか?
用語について説明しつつ、METAがFediverseで参加することでどういった未来予想図が見えるか考察致しました。

Fediverseとは

複数のサービスやサーバが関係しあって形成される分散SNSの世界は、Fediverseと呼ばれます。FediverseはFederated(連合した)あるいはFederation(連合)とUniverse(宇宙)を組み合わせた造語です。
複数の独立したソーシャルメディアが相互に接続・連携していて一つのアカウントですべてのプラットフォームのユーザーをフォローできるようになります。

分散型SNSとは?

「分散型SNS」を簡単に定義すると、大小さまざまなSNSが独自の文化や機能を備え、運営者や規約などが個別に存在し、相互に接続されている形態です。

「X(Twitter)」などの大手SNSはこの逆で、一つの巨大なSNSに大勢の人間が集い、企業や法人が定めた利用規約の下に、運営者や運営企業がユーザーを一元的に管理・監視する「中央集権型」と言える形態をとっています。

「中央集権型SNS」のイメージ

「分散型SNS」のイメージ


大小さまざまなSNSが独立して相互接続を行なう「分散型SNS」の集まりは、「Fediverse(フェディバース)」とも呼ばれています。

分散型SNSでいえば、「Mastodon」や「Misskey」があります。

注意して頂きたいのが、「Mastodon」はあくまでも「Fediverse」内でサーバを構築するソフトウェアの一種です。Mastodonの中にAサーバやBサーバなど様々なサーバが存在します。各サーバによって、「雑談がメイン」「ボカロPが集う場」「料理を投稿する場」「ダンス動画のショート動画」など、個別に「テーマ」が決まっており、利用規約がサーバ毎に定められ、独自の機能やユーザー文化を有しています。

それぞれのサーバは、「ActibityPub」と呼ばれる技術を用いて、サーバ間で「フォロー」や「リプライ」など、相互にやり取りができる構造になっています。そのため、たとえばAというサーバにいながら、Bというサーバのユーザーとやり取りを行うことができるわけです。

どういったことが可能になるかというと
学校向け、会社向けに使っているSNSではSNSごとにアカウントを開設する必要がありますよね?別の大学や会社のSNSとは相互に繋げることができなかったわけですが。
Fediverse&分散SNSの世界では一つのサービスのアカウントで他のサービス、サーバのSNSアカウントと交流することができるようになります。

また、専門知識があれば、サーバは誰でも開設及び運営が可能です。
企業だけでなく1個人も運営ができるのが強みです。

なぜ反中央集権?

なぜ「反中央集権」=「分散型」という考え方が生まれたのでしょうか。

運営の方針や規約が不合理だったり、仕様が変更されてしまったり、すべてがユーザーにとって必ずしも運営の方針に賛同できることばかりではないと思います。運営の方針と反して違うサービスを利用したいと思っていても基本的にフォローしたいユーザーがいないと他のサービスに中々引っ越しもできませんよね。分散型SNSの場合、大小様々なSNSが独自の文化や機能を携え、運営者や規約などが個別に存在し、相互に接続されているので気に入ったサーバがあれば引っ越しすることも可能になります。

FediverseではActivityPubの通信プロトコルを利用し、各サーバや各SNSのユーザーを見ることができますが、実際アカウント名はどういったものになるのでしょうか?

Fediverse上のアカウント名

「@user@サービスドメイン」がグローバルなアカウントになります。

例えば、
@naruko@misskey.io
@naruko@threads.net
@naruko@pawoo.net
です。

どのサーバーからでもドメインを辿ってフォローができます。
Threadsの画面ではどうなっているのでしょうか。
恐らく「threads.net」が各サービスドメインに変更され、threads内でも他のSNSアカウントが見るようになるかもしれません。

「threads.net」をクリックしてみてください。
下記のような表記が出てくると思います。

「分散型SNS」の課題

「分散型SNS」にはいくつかの課題も存在します。
①収益化が難しい。
②「X(Twitter)」などの既存SNSと比べ、ユーザーが少ない。
③ユーザー自身が「所属したいエコシステムを選び、その環境を自分たちで快適にしていける」点が最大の特徴でもあり、自由度の高さはユーザーにとって「わかりにくさ」につながる可能性もある。

私個人の見解ではありますが、METAは①と②の課題を解決できるように動くのではないでしょうか。次の章で詳しく説明したいと思います。

Threads、METAが考える広告エコシステム

METAが考える広告エコシステムを説明する前に現状の分散型SNSについて説明致します。現状の分散型SNSはサービスの開発だったり、各サーバの運営も私財で行っていたり、投げ銭や寄付金でサーバを運営しているとの話も多く、収益化に苦戦しております。最大手サーバのmisskey.ioに至っても運営費に月200万以上のお金がかかり、運営者が家購入のために貯金していたお金を切り崩して賄ったりする等、各サーバの収益化が現状難しく、国内でも撤退する運営者や企業が多いです。

例えば、
「ドワンゴがfriends.nico閉鎖」
「mstdn.jp」はサーバ管理者を二度変える。
「pawoo」も、pixivの手は離れたものの別会社が運営。
各メディアの記事を遡ってもサーバ閉鎖の記事が多く、Fediverseや分散型SNSは暗雲の兆しがありましたが、Threads・METAがFediverseに参加することを表明したことにより、明るい未来が見えてきました。

私の個人的な見解ですが、METAは収益化ができていない分散型SNS、サーバの運営者に広告面を提供することを考えているのではないでしょうか。現状分散型SNSだけではユーザー数も少なく、広告配信の機能も優れたものはありません。METAは既に広告システムとしてはとても優れたシステムを保有しています。Fediverseにある分散型SNSに広告システムを提供すれば、Fediverse全体的にサービス向上する可能性があります。

Fediverse上のMETAの広告エコシステムの予想イメージ

METAのミッションや理念

METAのミッションや理念を見返してみましょう。

・METAのミッション

    コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現します

・METAの理念

    発言の場を提供する
    つながりとコミュニティの構築
    すべての人に役立つサービス
    利用者の安全とプライバシーの保護
    ビジネス機会を促進

引用元:Metaについて

Thre VergeのAlex HeathがMark Zuckerbergへインタビューした際に、ThreadsがActivityPubを追加する理由を語っていました。

Facebook は機能が多く複雑すぎて、様々なことをすべてサポートするには非常に時間がかかるだけで、その間にイノベーションを起こすことはできません。ただし、ゼロから始める場合は、それが機能するように設計するだけで済みます。誰もが 1 つの製品を使用したいわけではありません。代替製品を使用しても人々と交流できるようにする必要があると思います。たとえそのネットワーク上で作成されたものでなくても、人々がすべてのコンテンツにアクセスできるようにすることで、製品の品質を向上させることができます。
引用元: Mark Zuckerberg on Threads, the future of AI, and Quest 3

今までのサービス
「私たちが作ったサービスを、こう使ってください」と企業はやりがちだったと思いますが、
これからのサービス
「あなたたちが作るサービス、コミュニティや文化を尊重します。」
といった転換が見えます。一つのSNSで多くの機能を持たせても複雑になり過ぎます。テーマやコミュニティに沿ったSNS機能やサーバ運営が各々あるというのは確かに理想であり、Fediverseに参加しMETAの広告エコシステムを通じて、大小問わずコミュニティ作りを応援するというMETAの壮大なビジョンにも合致するのではないでしょうか。

Threadsや分散型SNSの今後の予測

ThreadsがActivityPubに対応すると、misskey,ioなどユニークな機能や文化を持つSNSも、リモートフォローの形で繁栄でき、次第にコミュニティの文化にあったSNSサービスやサーバが増えていくと思います。
ただ大多数の一般ユーザーやインフルエンサー、企業などの公式はサーバが安定しているThreadsに参加すると思います。5日間で1億人が参加しても大規模なシステムダウンが起きなかったThreadsは賞賛されるべきで巨大なサーバがあった方が企業等の公式としては安心しやすい心理が働くと思います。
METAが分散型SNSに広告エコシステムを提供することで大勢が興味が持つような強固なコミュニティが作っているサーバ運営者には広告収入が入り、分散型SNSの弱点も補填できるというのがMETAが構想している未来予想図ではと私は予測しております。
ここまで読んでいただいた方に分かってもらえると思いますが、Threadsが単なるX(Twitter)の代替サービスではなく、Fediverse(SNS連合)の盟主としての働きが求められています。

今回の記事を踏まえたネクストアクション

Fediverse上に様々なSNS・サーバが乱立され、独自の文化が各々立ち上げられると思います。ユニークなコミュニティの運営を考えている方はそのコミュニティ文化にあったSNS&サーバを運営すればMETAの広告エコシステムを利用し、収益化することも可能になるかもしれません。

まとめ

  • METAはFediverseに広告エコシステムを提供したいからかもしれない。
  • Threadsの登場で各MisskeyやMastodon等の分散化SNSがより繫栄する兆しがある。
  • 単なるX(Twitter)の代替サービスではなく、Fediverse(SNS連合)の盟主として成立するかが鍵
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