BtoBマーケティングがなぜ必要なのか?

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数年前まではBtoB企業がデジタルマーケティングを活用することはあまり重要視されず、テレアポ・DM・展示会・飛び込み営業などのオフラインによる営業活動が主流でした。日本企業がなぜマーケティングの導入が遅れたのか、時代背景から読み解き、なぜBtoB企業でもマーケティングが必要なのか説明します。

日本の マーケティングの遅れ

国土の広さや人種

日本のBtoB企業はマーケティングという概念が育ちにくい環境に置かれていました。日本と比較すると、ヨーロッパやアメリカでは国土が広く、さまざまな人種が混在していることで細かくターゲティングしなければならない事情もあり、ヨーロッパやアメリカのマーケティングは世界的に見ても2~3年先を行く最先端を進んでいると言われています。日本国内市場では、国土が狭い上、人種も多く混在してはおらず、大手企業は東京を中心とした都心部に集中しているため、営業担当が足を使えば大きな成果をあげることができました。

日本経済の時代背景

日本のマーケティングが遅れたのは日本経済の時代背景も影響しています。日本経済は、戦後の復興期から高度経済成長期、安定成長期、バブル経済に突き進むという歴史をたどりました。日本経済の復興は世界的にも「奇跡」と賞賛されるほど凄まじく、バブル全盛期には「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉が飛び交うという今では信じられない状況でした。
つまり、日本経済は戦後の復興からバブル崩壊に至るまでの間、多少の景気の変動はあったものの、右肩上がりの経済成長を遂げてきたことになります。右肩上がりの経済成長では需要に対して対応するために多くの営業職を抱えることになります。

当時は商談や取引情報を効果的に蓄積・共有できるような便利なITツールが営業現場で一般的ではありませんでした。営業担当者は手帳や頭の中に情報をためて、セルフマネジメントを余儀なくされていました。景気の好調な時期においては、需要に対して迅速かつ大量の対応が求められ、質よりも量が重視されていました。

特にトップ営業と呼ばれる人々は、積極的に顧客を訪れ、個別のニーズに合わせたサービスを提供し、得た情報は自分の手帳にメモしていました。その結果、営業活動で得た顧客データやノウハウ、顧客との関係性は、個々の担当者にしか共有されておらず、社内の他のメンバーとは分かち合われていませんでした。この時代において、「マーケティング」手法が適用される余地はほとんどありませんでした。営業担当者が、属人的に自らの顧客に対してだけマーケティング的な活動を展開していたとも言えるでしょう。

デジタル時代の到来

インターネットの登場以降は顧客の行動パターンは大きく変化しました。企業が事業を拡大しようとする際、多額の広告予算を投入するよりも、営業担当者の配置や営業拠点の拡充が効果的であると見なされていました。簡潔に言えば、当時はマーケティングよりも営業活動が優先されていたのです。

実際、BtoCと異なり、BtoBでは効果的なチャネルが限られており、DMやFAX、展示会、業界紙などがプロモーションの主な手段でした。しかし、ここ10年ほどでインターネットが一般化したことで、ほぼ全てのビジネスパーソンがスマホを持ち歩くようになりました。GoogleやYahoo!などの検索エンジンで情報を検索し、SNSで情報を入手することが一般的になりました。また、ECサイトやメルカリなどを利用して個人の消費行動や購買行動がインターネットを介して行われることが一般的になっています。

これらの消費者の変化は、BtoB分野でも同様に起こっており、見込み客の情報収集先が企業の営業担当者からWebサイトにシフトしています
下の図はトライベック・ブランド戦略研究所が行ったBtoBサイトの調査結果から引用したもので、「企業のWebサイト」がBtoB市場における情報源の中で1位にランクインしています。

引用元:BtoBサイト調査 2022

購買プロセスの変遷

2014年、Google社とMillward Brown Digital社が共同で行ったBtoB企業の購買プロセスに関する調査によれば

購買プロセスに関与する人々は、購入先のウェブサイトにアクセスした時点で購入意思決定の57%が完了していると報告されています。

引用元:
The Changing Face of B2B Marketing

さらに、ネット利用者の90%がBtoB製品の情報収集において検索機能を積極的に活用し、特定のベンダーを見つけるために平均12回のオンライン検索を行っていることも示されています。

顧客が自らベンダーを選定する段階で選ばれなければ、営業担当者は声をかけられない可能性が高まります。かつては、顧客の情報源は主に展示会や業界紙、自社を定期的に訪れる営業担当者に限られていました。そのため、企業が抱える課題に対処する際には、まずは懇意の営業担当者に相談するというのが一般的な行動パターンでした。しかし、現在ではWeb上の情報を活用しつつ、顧客が自ら検討と意思決定を行うようになりました。課題の解決策は今や営業担当者ではなく、顧客が主導しています。

BtoBマーケティングの必要性

顧客が主導する時代において、BtoB企業はデジタルマーケティングへの転換を急務とし、Webサイトやデジタルチャネルの強化が求められます。

高度経済成長期は終わり、需要が右肩上がりにあがる市場ではなくなっています。現代は企業が提供する商品やサービスがますます増え、需要に対する競争が激化する時代です。かつてのように商品やサービスが希少だった時代と比べ、顧客に自社の存在を知ってもらい、商品を購入してもらうハードルが高まっています。自社の商品が単独で成功することは難しく、企業は商品の売上を促進するために工夫する必要があります。この工夫には、商品の利点や特長を強化することや、消費者やビジネス顧客への認知を向上させることなどが含まれます。現代では、商品の売上を向上させるための手段が多岐にわたり、企業は選択と集中が求められます。

また、企業ごとの状況、商品の利点、特長、価格、ターゲット層などが異なるため、同じアプローチが通用する企業は存在しません。そのため、各企業は自社に適したマーケティング活動を行うことが不可欠です。マーケティング活動は、「商品を売るための戦略」を企画し、資金やリソースの投資先を決定する重要な意思決定を伴います。このため、誰かが他の業務と兼務して軽く扱うことは現実的ではありません。

自社の商品を成功させるための計画や戦術を練り、実行する実務の最前線として、専門のマーケティング担当者が活動することは非常に重要です。

まとめ

  • 日本のBtoB企業は、国土の狭さと経済成長の右肩上がりにより、オフラインの営業活動が主流で、マーケティングが重視されていませんでした。
  • デジタル時代の到来により、BtoBにおいてもデジタルチャネルの強化が重要視されるようになりました。
  • 今後のBtoB企業においてはマーケティング担当者は重要。
著者情報
成子芳一
成子芳一
事業者目線に立てるマーケター 経営5年自社運用1年→月間過去最高売上更新3回 代理店2年半→広告費最高月額 3千万運用 運用媒体Google/Yahoo!/Bing/Meta/Line/X(旧:twitter) ■Threadsアカウント(@naruko_marketer) 広告運用者目線から『threads考察』しています。 フォロワー数3,600達成
成子芳一
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