デジタル広告内製化と組織改革の推進

株式会社メンバーズ フォーアドカンパニー

デジタル変革をリードする「デジタル広告の内製化」
ー 企業とパートナーが創る、新たな広告運用の未来

昨今、企業のデジタル広告予算は増加の一途をたどる中、従来の広告代理店に依存した運用方法では、形式的なレポートや断片的な情報提供にとどまり、企業本来の強みを十分に引き出せないという課題が浮上しています。
今回のインタビューでは、業界でもまだ一般的とは言えない「デジタル広告内製化」に着目し、企業自らが広告運用を主導するための新たな体制づくりと、信頼できる支援パートナーとの連携がもたらす実効性について、第一線で活躍する専門家の生の声をお届けします。

インタビューを受けてくれた方

株式会社メンバーズ フォーアドカンパニー

田中 秀和 様

ベンチャー企業にてIT事業の新規立ち上げ、事業拡大に貢献。

2008年にWeb事業にて独立し、2012年に事業売却。その後、事業会社にて事業・経営に対する戦略立案に従事。Webの知見をもとに業界課題を改善した実績が認められ、セミナーへの登壇や業界紙への寄稿を行う。

メンバーズに入社後は、金融系企業のデジタル支援PJTや、銀行のDX内製化に向けた高速アジャイルチームの立ち上げ・運用などのPJTを兼任し、2024年にフォーアドカンパニー社長に就任。

内製化の新たな挑戦と業界差別化

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御社は『デジタル広告内製化』に力を入れていると伺っておりますが、広告内製化を通じて他社とどのような差別化を図っておられるのか、ぜひ詳しくお聞かせいただけますか。
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ありがとうございます。まず、デジタル広告内製化というアプローチ自体、まだ業界全体で広く一般的ではないと感じております。その中で、弊社メンバーズは従来の広告代理店業務の枠にとらわれず、広告運用を含む内製化事業に取り組んでいます。昨今、企業のデジタル広告予算は上昇傾向にあり、生活者と企業が直接デジタル上でつながる時代となっています。しかし一方で、代理店から毎月受け取るレポートは形式的になりがちで、内容が形骸化してしまい、本当に良いのか悪いのか判断しづらい状況があります。また、社内に十分な広告の知見を持つ人材が不足しているため、適切な意思決定が難しいという課題もございます。こうした背景から、弊社は従来の代理店ビジネスとは異なる視点で、企業自らが広告運用を内製化できる体制づくりを推進しているわけです。
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では、内製化を成功させるために、特に重視されている『スマートな取り組み』とは具体的にどのような点にあるのでしょうか?一般的には、代理店に支払っていた手数料削減というコストメリットが先行して語られがちですが…
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はい。弊社としては、単なるコスト削減のみを目的とした内製化は推奨しておりません。重要なのは、企業自身の意思を尊重し、内部体制の整備を進めると同時に、弊社との支援パートナーシップを通じた実効性のある内製化を実現することです。これにより、企業は自社の強みを最大限に発揮し、デジタルコミュニケーションにおける存在感をより高めることが可能になります。

フラットな組織文化と支援体制の構築

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御社の組織文化やカルチャーにも大変興味があります。サイトを拝見すると、スタイリッシュで風通しの良い印象を受けるのですが、具体的にはどのような点が特徴でしょうか?
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はい。弊社では、フラットな組織運営を常に意識しており、クライアントとの関係も単なる取引先という枠を超え、あたかも仲間として共に歩むチームビルディングを大切にしております。また、弊社メンバーズはプライム上場企業としてクリエイターが働きやすい職場環境を維持しており、株式会社メンバーズとフォーアドカンパニーという異なる組織要素が融合することで、デジタル人材による支援体制を整えています。さらに、カンパニー制を採用し、高い専門性を発揮できる環境づくりにも努めています。なお、インタビュー中は説明がやや不十分だった部分もございましたが、基本的な軸としては「企業支援を通じた内製化の推進」に変わりはありません。
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内製化を推進する中で、どのような課題があるとお考えでしょうか?たとえば、社内におけるデジタル広告の知識不足や、離職・ジョブローテーションによって体制がリセットされるリスクなどについてお聞かせください。
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はい。大きな課題は、社内に十分なデジタル広告の知見やスキルを持つ人材が不足している点です。また、一度構築した体制も、離職やジョブローテーションによりゼロから再構築しなければならないリスクが常につきまといます。こうした人的ハードルに対して、不足するリソースの提供を行い、クライントと協力し、企業側に内製化のコントロールをしっかりと持っていただく形で対応しています。
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また、テクノロジーの進化、特に機械学習の発展が進む中で、媒体設定のセオリーも『機械学習が学習しやすいように設計する』という方向にシフトしていると伺いましたが、この点についてはいかがでしょうか?
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その通りです。現在の媒体設定は、機械学習が効果的に学習できるよう設計されているため、各代理店の独自の強みやノウハウが徐々に均質化しているのが現状です。実際、未経験のビジネスパーソンでも、一定期間の伴走支援を受ければ十分に広告運用が可能になる事例も多く見受けられます。さらに、AIの進化により、疑問点があればすぐに解決できる環境が整っていることも、内製化推進の大きな後押しとなっています。
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つまり、担当者が頻繁に入れ替わるいわゆる『ガチャ』状態に頼るのではなく、信頼できるパートナーと同じ目線で長期的に取り組むことが、内製化成功の鍵ということでしょうか?
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はい、その通りです。安定したパートナーシップの下で共に歩むことが、内製化を成功させる上で最も重要だと考えています。頻繁な担当者交代は、これまで蓄積してきたナレッジがリセットされるリスクを伴うため、継続的な改善を実現するには、信頼できるパートナーとの連携が不可欠です。

内部知見を活かした迅速な情報伝達

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企業が顧客に情報を届ける際、最も重視すべき要素は何だとお考えでしょうか?
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結局のところ、企業の商品やサービス、そしてそれを利用するユーザーに関する知見を最もよく把握しているのは、企業内部の社員です。社員と企業が一体となって体制を作り上げることで、より迅速かつ正確な意思決定が可能となり、結果として成果面で大きな改善が見られます。
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SNSやWEB検索など、デジタルツールの活用についてはいかがでしょうか?クライアント支援の一環として、これらのツールの活用も重要な要素となっていると伺っています。
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はい。弊社は広告内製化の枠を超えて、マーケティング戦略全体に関与しております。ペイドメディアだけでなく、検索、SEO、SNSといったオーガニックメディアの戦略にも注力しており、最終的にはクライアント側での運用を促す形で連携を進めています。
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また、保守的な企業では代理店との関係性や、知識のブラックボックス化といった課題も指摘されていますが、これについてはどのようにお考えでしょうか?
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そうですね。代理店を頻繁に変更すると、毎回提案内容がリセットされ、蓄積されたノウハウが失われるリスクがあります。最も重要なのは、信頼できるパートナーと同じ目線で伴走し、継続的に内製化を推進することだと考えています。

未来展望:内製化による業界変革と社会貢献

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では、最後に今後の展望についてお伺いします。内製化をさらに進化させるために、御社が注力されているポイントや、業界全体にどのような影響・変革をもたらしたいとお考えでしょうか?
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はい。弊社は、デジタル広告内製化という考え方を日本国内により広く浸透させ、海外で当たり前となっているインハウス体制のメリットを日本企業にも実感していただきたいと考えています。従来の代理店文化が根強く残る中で、テクノロジーの進化とAIの発展により、内製化が現実的な選択肢となりつつあります。

どちらの説明も、内製化によるコスト削減と成果向上の可能性を示しており、結果としてユーザーや社会全体に良い影響をもたらすと信じています。弊社は、こうした変革を通じてデジタル時代の情報伝達の新たな形を構築し、業界全体に影響を与えるパイオニアとしての役割を果たしていきたいと考えております。

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本日は貴重なお話をたくさん伺うことができ、ありがとうございました。
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こちらこそ、本日はどうもありがとうございました。

会社紹介

株式会社メンバーズ フォーアドカンパニー

株式会社メンバーズ フォーアドカンパニーは、デジタル広告運用の内製化を通じて、新たな価値を創出し、より豊かな社会の実現を目指す企業です​。「広告」そのものではなく「未来」を創るという理念のもと、生成AIや最新テクノロジーを駆使したインテリジェントADクリエイティブ支援、成果にコミットする伴走型の支援、さらにはデータドリブンな基盤環境構築支援など、企業の内製化を強力に後押しする各種サービスを提供しています​。

東京都中央区晴海に拠点を置く当社は、マーケティングのDX(デジタルトランスフォーメーション)を通して、クライアントのビジネスに圧倒的な成長をもたらすとともに、未来を見据えた革新的なサービスでワクワクする未来づくりに貢献しています​。このように、フォーアドカンパニーは単なる広告制作を超え、企業が内製化を実現するためのパートナーとして、持続可能な成長と社会全体の発展に寄与することを使命としています。

まとめ

本インタビューでは、企業が従来の代理店依存から脱却し、デジタル広告内製化という新たなアプローチに挑戦する背景と、その意義が詳細に語られました。急速に進化するデジタル広告市場において、企業は内部に蓄積された知見を最大限に活用するとともに、信頼できるパートナーとの協業を通じて、従来の形式的なレポーティングや断片的な支援から脱却し、より実効性の高い広告運用体制を実現しています。組織文化としては、フラットで風通しの良い運営や、カンパニー制の導入により、各メンバーが専門性を発揮できる環境が整えられており、これが内製化推進の成功に大きく寄与していることが明らかになりました。

また、AIや機械学習の進化に伴い、媒体設定の設計自体が変革を迎え、未経験者でも短期間で運用スキルを獲得できる環境が整っている点も注目すべきポイントです。こうした技術革新と組織の柔軟性、そしてパートナーシップの強化が、企業にとってのコスト削減や迅速な意思決定を可能にし、最終的にはユーザーや社会全体への還元へとつながると期待されます。

今後、内製化がさらに進展することで、企業は自社の強みを最大限に発揮し、デジタルコミュニケーションの新たな可能性を切り拓くとともに、業界全体の革新と持続的成長に寄与するモデルケースとして注目されることでしょう。

著者情報

Picture of 二田 誠

二田 誠

D2Frontierの代表。2000年代のWEB黎明期にライターデビュー。その後デザイン、サウンドエンジニアなど、幅広い職歴を持つ。
月間1億PVを超えるサイトのメインクリエイターとして活躍し、その後もWEB業界で長期間活動を続けている。
現在はWEBを中心に企業のマーケティング推進の貢献を続けている。

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